現代の農産物貿易 5
次に穀物の総消費量は61年の8.3億トンから88年の16.6億トンへとほぼ2倍の増加をみせています。
こうした穀物消費の増加を規定したのは、①世界の人口増と、②1人当り穀物消費の増加という二つの要因です。
このように世界の穀物消費は外延的拡大と内包的発展という二つの要因の合成のなかで、増大を続けているのです。
以上の需給の適合度を示すのが期末在庫率です。
一般に世界における穀物の適正在庫率は18%前後といわれています。
これを基準にみると、国際的穀物需給はほぼ10年をタームに、過剰と不足をくり返していることがわかります。
まず60年代には期末在庫率はほぼ22~3%ラインにあり過剰基調で推移していました。
それが70年代に入ると15~6%の水準に低下し不足基調が恒常化するし、とくに穀物危機が騒がれた73年には15.1%という戦後の最低水準を記録しています。
80年代に入ると再び過剰基調に転じ、期末在庫率はほとんどコンスタントに20%をオーバーしていますし、とくに86年には27.6%という戦後の最高水準にまではね上っています。
・・・このように、世界の穀物需給は長期的にみてかなり不安定な変動をくり返しているのです。
なお、以上は経済学でいう自然の需給でないことに注意しておきましょう。